数。

歴史

諸説あります。
「昔々のことは、はっきりとはわからない。」でいいと思います。

説1. 自然数 → 有理数 → 無理数 → 整数 → 小数 → (厳密でない実数) → 複素数 → 四元数
説2. 自然数 → 整数 → 有理数 → 無理数 → 小数 → (厳密でない実数) → 複素数 → 四元数

上記のどちらも時間が前後に行ったり来たりする説明の文献ばかりで理解できませんでした。
「非可算集合の実数」の登場は四元数の後です。自然数は可算集合です。

本稿を含む連続する記事の目的がクォータニオンなので最後を四元数としています。

自然数

自然数の定義は2つあります。
1冊の教科書の中だとどちらか1つを選択して、「自然数と言います。」とだけ書いてある類の定義をしていると思います。

定義1. 「1,2,3,(略)」からなる数の集まり
定義2. 「0,1,2,3,(略)」からなる数の集まり

自然なのは定義1だと思います。

有理数

後で拡張しますが、有理数を「自然数の比で表す数」と定義します。ここでは自然数は定義1を採用します。
分数です。但し、分母も分子もここでは必ず自然数のみとします。

C++でテストファーストで有理数クラスを作ることが最も理解が早い方法かもしれません。

無理数

円周率とネイピア数と下記など。

\[
\sqrt{2}, \sqrt{3}, \sqrt{5}
\]

当然ですが、最初の発見は\(\sqrt{2}\)とされています。

日本以外の国(範囲はわかりません)ではネイピア数と言わずにオイラー数と言うそうです。
ネイピアは対数を考案した人です。

整数

負数の登場です。

有理数を定義し直します。
有理数を「整数の比で表す数」と定義します。ここでは分母は常にゼロでないとします。

小数

小数の登場です。

それまでは有理数で計算していたとのことです。
分数のままで計算していた。

非可算集合の実数

複素数で必要のため、実数を定義します。

有理数からデデキントの切断などにより構成します。

数直線として理解します。
1変数関数は平面上に描きます。

カントールの時代のこのあたりの読みものは読むのが大変なのですが、教科書的に「実数というものがあります。あるんです。」という論調ではなく、なんとかして構築していった様子から「どう考えるか。」について得るものがあると思います。

三角形の線は太さを持ってはいけないし、\(\boldsymbol{F}=m\boldsymbol{a}\)について質点として重さはあるけど大きさを持たないし、1/3+1/3+1/3=1なんだから0.333(無限)+0.333(無限)+0.333(無限)=1だし、\(x\)が微小のとき\(\sin(x)=x\)だし、究極を扱うときに多くの人が共有できるはずの説明になっていると思います。

\(\sin(x)=x\)は究極でなくて角度が目で見てわかるくらいの大きさでもやっちゃっていいそうです。

「最小作用の原理というものがあります。あるんです。」よりは、答えはあるんだからハミルトンが示してくれたんだから、自分達も究極の微小から始めてところどころ抜かしてもいいから運動の法則を構築してみよう、という方法の方が良いと思います。

複素数

諸説ありますが、残るものとしてカルダノの書籍「Ars Magna」で初めて平方根の中の負数が記されているとされています。

ボンベリ(カルダノの弟子とされる)が下記の根について考察したことが書籍として残っているとのことです。
\[
x^3 = 15x + 4
\]

この後、歴史としては、生まれた順に、オイラー、フーリエ、ガウス、コーシー、ハミルトン、と続くのですが、ここではハミルトンによる複素数の定義に始まりこれで終わりとします。

実数を拡張します。

下記となる実数の順序対\((a,b)\)を考えます。

\[
a+bi \longleftrightarrow (a,b)
\]

加算を定義します。

\[
(a,b)+(c,d) = (a+c,b+d)
\]

乗算を定義します。

\[
(a,b)(c,d) = (ac-bd,ad+bc)
\]

自分はこちらの書き方を好みます。

\[
(a,b) \times (c,d) = (ac-bd,ad+bc)
\]

\((a,0)\)は実数で、\((0,1) \times (0,1) = (0-1,0+0) = (-1,0)\)だから\((0,1)\)は\(i\)というわけです。

加算に関する単位元と逆元と、乗算に関する単位元と逆元を導き、四則演算ができるとして実数の順序対全体は体であり、これを複素数と定義します。
数の拡張として相応しいと感じます。
(詳細は書籍「複素数とはなにか」を読んでください。)

書籍「複素数のつくりかた」はコーシーの定義の方を扱って一冊の本としています。

複素数は下記を満たします。律は、他に則や法則と書かれる場合があります。

  • 加算の結合律
  • 加算の交換律
  • 乗算の結合律
  • 乗算の交換律
  • 加算と乗算の分配律

複素数の加算や乗算を平面上に描きます。

四元数 / Quaternion

先達に倣い複素数を拡張します。

\[
(a+bi)+(c+di)j = a+bi+cj+dk
\]

ハミルトンの定義はこちら。
四次元内の90度回転を意識するとわかりやすくなります。

\[
\begin{gather}
i^2=j^2=k^2=ijk=-1 \\
ij=-ji=k \\
jk=-kj=i \\
ki=-ik=j
\end{gather}
\]

四元数は下記を満たします。

  • 加算の結合律
  • 加算の交換律
  • 乗算の結合律
  • 加算と乗算の分配律

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