線形代数 1

線形代数について説明します。

代数

algebraは、al-jabrに由来し、al-jabrは「移項」の意とのことです。

下記の二次関数の式には数字は1つしかなく、他は数ではないものです。「文字を数の代わりに使う」、全ての数を代表する(\(a\)は、\(a=0\)を除いた全ての実数の代表と考えることができる。\(b\)、\(c\)も同様。\(b\)、\(c\)は\(0\)も可。\(x\)も\(y\)も。)、などと説明されます。
和差積商、移項、連立一次方程式、二次方程式などを考えて行きます。
$$ y = ax^2 + bx + c $$

下記を意図された通りに読めるのは代数に慣れているからです。

\[
\begin{align*}
& a(A+B) = aA+aB \\[8pt]
& (a+b)A = aA+bA
\end{align*}
\]

一般に、行列の積\(AB\)と行列の積\(BA\)は一致しない。

線形代数でよく見る代数は下記です。
$$ A \quad B \quad a_{11} \quad b_{11} $$

辞書 (英語)

Macに付属の辞書の説明です。

the part of mathematics in which letters and other general symbols are used to represent numbers and quantities in formulae and equations.

letters and other general symbolsを、numbers and quantitiesをrepresentするために使う、という説明です。的確です。

辞書 (日本語)

上記までわかっていれば、下記を読めると思います。群、環、体、です。わかっていないから辞書で調べるのに、わかっている人でないと読めない文章です。
わかっている人は「個々の数字の代わりに文字を用いて一般的な数を代表させ」だけに注目できますが、わかっていない人は一通りを読み、数の性質、抽象代数学、と出てきて理解を諦める気がします。

Macに付属の辞書の説明です。

初等的には方程式の解法のように,個々の数字の代わりに文字を用いて一般的な数を代表させ,数の関係・数の性質・数の計算法則などを研究する数学。
現在では,要素間の結合(例えば加法・乗法)が定義された集合(代数系)を抽象的に研究する学問(抽象代数学)となっている。

線形

線形代数では線形写像を扱います。
\(f(x) = ax\)は線形写像ですが、\(f(x) = ax + b(b \neq 0)\)は線形写像ではありません。

\(n\)入力\(1\)出力の例です。

\[
\begin{align*}
& y = ax_{1} \\
& y = ax_{1} + bx_{2} \\
& y = ax_{1} + bx_{2} + cx_{3} \\
& y = ax_{1} + bx_{2} + cx_{3} + dx_{4}
\end{align*}
\]

\(y\)は一変数関数または多変数関数です。

\(n\)入力\(2\)出力の例です。

\[
\begin{align*}
& \begin{pmatrix}
y_{1} \\
y_{2}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
a x_{1} \\
b x_{1}
\end{pmatrix} \\[5pt]
& \begin{pmatrix}
y_{1} \\
y_{2}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
ax_{1}+bx_{2} \\
cx_{1}+dx_{2}
\end{pmatrix} \\[5pt]
& \begin{pmatrix}
y_{1} \\
y_{2}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
ax_{1}+bx_{2}+cx_{3} \\
dx_{1}+ex_{2}+fx_{3}
\end{pmatrix} \\[5pt]
& \begin{pmatrix}
y_{1} \\
y_{2}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
ax_{1}+bx_{2}+cx_{3}+dx_{4} \\
ex_{1}+fx_{2}+gx_{3}+hx_{4}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
a & b & c & d \\
e & f & g & h
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x_{1} \\
x_{2} \\
x_{3} \\
x_{4}
\end{pmatrix}
\end{align*}
\]

\(y_{1}\)と\(y_{2}\)は一変数関数または多変数関数です。

多変数関数

2変数関数の例です。考え方は偏微分と同じでいいと思います。\(x_1\)を固定して\(x_2\)を動かします。曲面で表すことができます。下記は平面で表すことができます。

\[
\begin{align*}
& y = x_1 + x_2 \\
& y = x_1 + 2x_2
\end{align*}
\]

2変数関数の例です。下記の\(y\)は上記の\(y\)とは無関係です。

\[
z = x + y
\]

MacのGrapherで描画します。Wolfram Alphaにplot x + yのように入力することで同様の結果を得ることができます。

x + y

001

x + 5y

002

5x + y

003

行列

2行3列の行列と3行4列の行列の積
\[
\begin{pmatrix}
a_{11} & a_{12} & a_{13} \\
a_{21} & a_{22} & a_{23}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
b_{11} & b_{12} & b_{13} & b_{14} \\
b_{21} & b_{22} & b_{23} & b_{24} \\
b_{31} & b_{32} & b_{33} & b_{34}
\end{pmatrix}
\]
$$
=
\begin{pmatrix}
a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}+a_{13}b_{31} & a_{11}b_{12}+a_{12}b_{22}+a_{13}b_{32} & a_{11}b_{13}+a_{12}b_{23}+a_{13}b_{33} & a_{11}b_{14}+a_{12}b_{24}+a_{13}b_{34} \\
a_{21}b_{11}+a_{22}b_{21}+a_{23}b_{31} & a_{21}b_{12}+a_{22}b_{22}+a_{23}b_{32} & a_{21}b_{13}+a_{22}b_{23}+a_{23}b_{33} & a_{21}b_{14}+a_{22}b_{24}+a_{23}b_{34}
\end{pmatrix}
$$

1行2列の行列と2行1列の行列の積
\[
\begin{pmatrix}
a_{11} & a_{12}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
b_{11} \\
b_{21}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}
\end{pmatrix}
\]

2行1列の行列と1行2列の行列の積
\[
\begin{pmatrix}
a_{11} \\
a_{21}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
b_{11} & b_{12}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
a_{11}b_{11} & a_{11}b_{12} \\
a_{21}b_{11} & a_{21}b_{12}
\end{pmatrix}
\]

2行3列の行列と3行4列の行列の積
\[
\begin{bmatrix}
a_{11} & a_{12} & a_{13} \\
a_{21} & a_{22} & a_{23}
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
b_{11} & b_{12} & b_{13} & b_{14} \\
b_{21} & b_{22} & b_{23} & b_{24} \\
b_{31} & b_{32} & b_{33} & b_{34}
\end{bmatrix}
\]
$$
=
\begin{bmatrix}
a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}+a_{13}b_{31} & a_{11}b_{12}+a_{12}b_{22}+a_{13}b_{32} & a_{11}b_{13}+a_{12}b_{23}+a_{13}b_{33} & a_{11}b_{14}+a_{12}b_{24}+a_{13}b_{34} \\
a_{21}b_{11}+a_{22}b_{21}+a_{23}b_{31} & a_{21}b_{12}+a_{22}b_{22}+a_{23}b_{32} & a_{21}b_{13}+a_{22}b_{23}+a_{23}b_{33} & a_{21}b_{14}+a_{22}b_{24}+a_{23}b_{34}
\end{bmatrix}
$$

1行2列の行列と2行1列の行列の積
\[
\begin{bmatrix}
a_{11} & a_{12}
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
b_{11} \\
b_{21}
\end{bmatrix}
=
\begin{bmatrix}
a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}
\end{bmatrix}
\]

2行1列の行列と1行2列の行列の積
\[
\begin{bmatrix}
a_{11} \\
a_{21}
\end{bmatrix}
\begin{bmatrix}
b_{11} & b_{12}
\end{bmatrix}
=
\begin{bmatrix}
a_{11}b_{11} & a_{11}b_{12} \\
a_{21}b_{11} & a_{21}b_{12}
\end{bmatrix}
\]

上の2つの括弧にそれぞれ異なる意味があるわけではありません。どちらもよく使われます。手で書くなら、丸より角の方が失敗が少ないと思いますが、完全に好みの問題と思います。

2行3列の行列と3行4列の行列の積
\[
\begin{pmatrix}
\textcolor{blue}{ a_{11} } & \textcolor{blue}{ a_{12} } & \textcolor{blue}{ a_{13} } \\
a_{21} & a_{22} & a_{23}
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\textcolor{blue}{ b_{11} } & b_{12} & b_{13} & b_{14} \\
\textcolor{blue}{ b_{21} } & b_{22} & b_{23} & b_{24} \\
\textcolor{blue}{ b_{31} } & b_{32} & b_{33} & b_{34}
\end{pmatrix}
\]
$$
=
\begin{pmatrix}
\textcolor{blue}{ a_{11}b_{11}+a_{12}b_{21}+a_{13}b_{31} } & a_{11}b_{12}+a_{12}b_{22}+a_{13}b_{32} & a_{11}b_{13}+a_{12}b_{23}+a_{13}b_{33} & a_{11}b_{14}+a_{12}b_{24}+a_{13}b_{34} \\
a_{21}b_{11}+a_{22}b_{21}+a_{23}b_{31} & a_{21}b_{12}+a_{22}b_{22}+a_{23}b_{32} & a_{21}b_{13}+a_{22}b_{23}+a_{23}b_{33} & a_{21}b_{14}+a_{22}b_{24}+a_{23}b_{34}
\end{pmatrix}
$$

vector

下記は、全てvectorです。

\[
\begin{align*}
& (x_{1}) \\
& (x_{1},x_{2}) \\
& (x_{1},x_{2},x_{3}) \\
& (x_{1},x_{2},x_{3},x_{4}) \\
& (x_{1},x_{2},x_{3},x_{4},x_{5}) \\
& (x_{1},x_{2},x_{3},x_{4},x_{5},x_{6})
\end{align*}
\]

Deep Learningでよく扱うvectorの1つです。
$$ (x_{1},x_{2},x_{3},x_{4},x_{5},x_{6}, \cdots ,x_{150528}) $$

下記のように表現することもあります。

\[ y =
\begin{pmatrix}
x_{1} \\
x_{2} \\
x_{3} \\
x_{4}
\end{pmatrix}
\]

$$ y = (x_{1}, x_{2}, x_{3}, x_{4}) $$

お断り

いい加減に書いています。自分で責任を取れる人の仕事の参考にと思って書いています。絶対に大学受験、高校受験の参考にはしないでください。成績を上げるためには、予備校、Z会、を利用してください。

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